もっと!まともな人に好かれたい。というか、恋がしたい。社内編2
2003年10月16日「まともな人に好かれたい」第3回目を迎えましたが、皆さんお元気でしょうか?
この日記一応続きものでして(この時点で既に日記じゃねえ!)、長いですが初めから読んで頂けると、大変分かりやすいかと・・・。
タイトルだけは可愛らしいけど、内容はさっぱりなお話、ではさっそく。
そして別の日にT君に告白されたのだが、そのシュチュエーションも実に彼らしいと言えば彼らしいものであり、それがけして誉められるべきものではないということがお分かり頂けると思う。
その日はそう・・・私の心を先行しているかのような、今にも泣き出してしまいそうな曇り空の月曜日の夕方。
しじみ採り以来ますますT君に対して恐怖を感じている私は、出来るだけ二人きりにはならないように頑張っ・・・いや気を使っていたにも関わらず、偶然だかはたまた神様の気まぐれだかで、帰りのエレベーターが一緒になってしまい、必然的に5階から駐車場までの私にとっては地獄ともエンドレスロードとも呼べる長い道のりを一緒に帰るということになってしまった。
どうやら私の今までの努力は、エレベーターホールで彼と出会った瞬間に徒労と化してしまったらしい。
エレベーターの中で彼は、「話し掛けないで〜」と顔を引きつらせている私の心中を全く察することなく、非常に嘘臭いさわやかな笑顔で「しじみ・・・食べた?」と話し掛けて下さった。
そこで私はやっと、少しでも彼のことは考えまいと頭の隅に追いやっていたおかげですっかり忘れていた、先日のしじみ採りの日に目的物ごと預かった彼のバケツを思い出し、車のトランクに置いてあったそれを、邪魔だからむしろさっさともって返れぐらいの勢いで返却することにした。
この機会を逃すと自分から話し掛けることもないであろうし、いつまでも彼に借りがある気がする上、彼の所有物であるバケツに、先日のキティと同じくなんらかの呪いの様なものがかかっていそう感は否めなかったからだ。
もちろん返すのは人間として当たり前だと思うのだが、その部分は棚に上げさせて頂く。
エレベーターを降りて、駐車場に行って、バケツを返してさようなら、で終わるはずだったそのデッドタイム。
だがしかし、私が駐車場に車を停めていなかったことで事態は急変した。
そもそも移転前の会社は(この話は移転前の話です)、ビルと駐車場まで、ちったぁ歩いてダイエットでもしろよ!という意味合いからなのか結構な距離が開いていた。だとしたら、全くもって余計なお世話この上ない話なのだが、そのせいで逆に、人一倍歩かなければならない筈の私が、ビルの隣にある生協に車を停めるようになってしまっていたのだ。
それでも、私の車からバケツを返して終わりと思いきや、急にT君は
「駐車場まで送って行って」と全く可愛らしくもへったくれもない駄々をこね始め、一応受けたくもなかった恩だが、私は、受けた覚えなんてないもんっと言い切る程お子様ではない為、それでも見るからに渋々送って行く事にした。
というかさせられたという表現のほうが非常に正しいと言える。
結局、彼を私の車に詰めて車の所まで送ってやったのだが、まず止まった場所も悪かった。
その時運悪く、とうとう雨が降り出してしまったので、彼が少しでも濡れないようにと目いっぱいの親切心を出し彼の車の隣に止めたのだが、そこは予想だにしていなかったデッドゾーン・・・。
実際、駐車するまで気付かなかった私もどうかしてるが、私が車を停めたスペースと彼の車以外、前左右全て大型トラックが停車し、あたかも巨大な壁のように立ちふさがっていたのだ。
それだけならまだしも、徐々に勢いを増し今や嵐と呼べんばかりの大雨が、取ってつけたかのように二人きりの空間を演出してくれる。
「なんだか世界で二人っきりになっちゃったみたいだネ☆」なんて、冗談でも言える雰囲気ではない。
時刻は夕暮れ。
さっさと降りてくれればいいのに、降りてくれない彼。
流れる沈黙。
あわや発狂寸前の私が意味不明の叫びを上げる直前、気持ちが固まったのどうだかさだかではないが、彼がやっとその重い口を開いた。
出来れば一生開かなくても良かった。
「あの・・・さ、実は俺・・・前からアンナさんのことが好き・・・だったんだ」
予想は出来ていた。出来ていたが・・・実際言われるとかなりキツイものがある。
私の車で今!?君、助手席でバケツ抱えてるんだよ!?しかも今日、月曜日だし!なんで月曜日!?いや、そこが問題って訳じゃないけど、そこも重要だよ!私に振られるなんて考えなかったわけ!?明日からどうするの!?
ある意味ムードも何も無い状況なのに、気が付かないのがT君のT君たる所以か。
彼の告白から0.5秒後、全く考える余地も無く私は答えた。
「ごめんっ。・・・・今まで同期としてしか見てなかったし・・・」
「・・・じゃあさっ、これから・・・は?これからは男として見てくれないかな」
確かに彼の言い分も全くだ。
冷静な振りをして、内心かなり気が動転している私は、とにかく出来る限り彼を傷つけないように遠まわしに断ったつもりだが、中途半端に期待させる返事だったらしい。
出来るだけ相手を傷つけないように等という考え方も、好意を持つ人間とその好意を受けられない人間がいる以上、所詮奇麗事に過ぎないとせせら笑っていた、全く自分に関係ない世界の出来事だと思っていた昔が懐かしい。
確かにそうだとは思うが、実際その立場になってしまったら、人間としてそう頑張ってしまうものだということもかなりいい勉強になったと思う。
「ごめん。やっぱり無理だよ・・・」
結果、駄目押しする羽目になってしまった。
私なんぞがこんなセリフを吐く羽目になるとは・・・。全くもって恐ろしい世の中、というかT君、いやオフィスマジック。
その後はもう、バケツを抱えた彼をその場に捨て去り、無我夢中で家に帰宅したのだが、その辺りの記憶が曖昧なあたり、私も相当の動揺をしていたことが伺える。
しかし、その話自体はもうそれでお終い・・・なのだが、当たり前のごとく同期なので、翌日から会社でじゃんじゃん顔を合わせるという、非常に情けない事態が待ち受けていたのだった。
そんな、私なんかを好きになってしまったという恥ずかしい過去を持つ彼も、つい最近、私に無理やりしじみ採りに参加させられた友達と、全く別のツテから紹介され、実際に付き合うことになってしまったのが、全く持って驚愕の事実である。
『捨てる神あれば拾う神あり』というが・・・自分が捨てる神になるのも信じがたい出来事だが、友達が拾う神になるなんて、ことわざを使いまくりたい訳ではけしてないのだが、まさに寝耳に水としか言い様がない。
逐一報告していた私の話で、T君のことを散々馬鹿にしていた彼女の姿を、世が世ならタイムマシーンに乗って見せつけてやるところであるというのに。
しかし今二人が幸せならば、もう何もいうまい。
知らないことがあるほうが、幸せになることもあるという事実を、リアルに教えて頂いているのだから。
今日はT君で始まり終わってしまいました・・・。
いやそんな別に話があるわけじゃないんですが。
この日記一応続きものでして(この時点で既に日記じゃねえ!)、長いですが初めから読んで頂けると、大変分かりやすいかと・・・。
タイトルだけは可愛らしいけど、内容はさっぱりなお話、ではさっそく。
そして別の日にT君に告白されたのだが、そのシュチュエーションも実に彼らしいと言えば彼らしいものであり、それがけして誉められるべきものではないということがお分かり頂けると思う。
その日はそう・・・私の心を先行しているかのような、今にも泣き出してしまいそうな曇り空の月曜日の夕方。
しじみ採り以来ますますT君に対して恐怖を感じている私は、出来るだけ二人きりにはならないように頑張っ・・・いや気を使っていたにも関わらず、偶然だかはたまた神様の気まぐれだかで、帰りのエレベーターが一緒になってしまい、必然的に5階から駐車場までの私にとっては地獄ともエンドレスロードとも呼べる長い道のりを一緒に帰るということになってしまった。
どうやら私の今までの努力は、エレベーターホールで彼と出会った瞬間に徒労と化してしまったらしい。
エレベーターの中で彼は、「話し掛けないで〜」と顔を引きつらせている私の心中を全く察することなく、非常に嘘臭いさわやかな笑顔で「しじみ・・・食べた?」と話し掛けて下さった。
そこで私はやっと、少しでも彼のことは考えまいと頭の隅に追いやっていたおかげですっかり忘れていた、先日のしじみ採りの日に目的物ごと預かった彼のバケツを思い出し、車のトランクに置いてあったそれを、邪魔だからむしろさっさともって返れぐらいの勢いで返却することにした。
この機会を逃すと自分から話し掛けることもないであろうし、いつまでも彼に借りがある気がする上、彼の所有物であるバケツに、先日のキティと同じくなんらかの呪いの様なものがかかっていそう感は否めなかったからだ。
もちろん返すのは人間として当たり前だと思うのだが、その部分は棚に上げさせて頂く。
エレベーターを降りて、駐車場に行って、バケツを返してさようなら、で終わるはずだったそのデッドタイム。
だがしかし、私が駐車場に車を停めていなかったことで事態は急変した。
そもそも移転前の会社は(この話は移転前の話です)、ビルと駐車場まで、ちったぁ歩いてダイエットでもしろよ!という意味合いからなのか結構な距離が開いていた。だとしたら、全くもって余計なお世話この上ない話なのだが、そのせいで逆に、人一倍歩かなければならない筈の私が、ビルの隣にある生協に車を停めるようになってしまっていたのだ。
それでも、私の車からバケツを返して終わりと思いきや、急にT君は
「駐車場まで送って行って」と全く可愛らしくもへったくれもない駄々をこね始め、一応受けたくもなかった恩だが、私は、受けた覚えなんてないもんっと言い切る程お子様ではない為、それでも見るからに渋々送って行く事にした。
というかさせられたという表現のほうが非常に正しいと言える。
結局、彼を私の車に詰めて車の所まで送ってやったのだが、まず止まった場所も悪かった。
その時運悪く、とうとう雨が降り出してしまったので、彼が少しでも濡れないようにと目いっぱいの親切心を出し彼の車の隣に止めたのだが、そこは予想だにしていなかったデッドゾーン・・・。
実際、駐車するまで気付かなかった私もどうかしてるが、私が車を停めたスペースと彼の車以外、前左右全て大型トラックが停車し、あたかも巨大な壁のように立ちふさがっていたのだ。
それだけならまだしも、徐々に勢いを増し今や嵐と呼べんばかりの大雨が、取ってつけたかのように二人きりの空間を演出してくれる。
「なんだか世界で二人っきりになっちゃったみたいだネ☆」なんて、冗談でも言える雰囲気ではない。
時刻は夕暮れ。
さっさと降りてくれればいいのに、降りてくれない彼。
流れる沈黙。
あわや発狂寸前の私が意味不明の叫びを上げる直前、気持ちが固まったのどうだかさだかではないが、彼がやっとその重い口を開いた。
出来れば一生開かなくても良かった。
「あの・・・さ、実は俺・・・前からアンナさんのことが好き・・・だったんだ」
予想は出来ていた。出来ていたが・・・実際言われるとかなりキツイものがある。
私の車で今!?君、助手席でバケツ抱えてるんだよ!?しかも今日、月曜日だし!なんで月曜日!?いや、そこが問題って訳じゃないけど、そこも重要だよ!私に振られるなんて考えなかったわけ!?明日からどうするの!?
ある意味ムードも何も無い状況なのに、気が付かないのがT君のT君たる所以か。
彼の告白から0.5秒後、全く考える余地も無く私は答えた。
「ごめんっ。・・・・今まで同期としてしか見てなかったし・・・」
「・・・じゃあさっ、これから・・・は?これからは男として見てくれないかな」
確かに彼の言い分も全くだ。
冷静な振りをして、内心かなり気が動転している私は、とにかく出来る限り彼を傷つけないように遠まわしに断ったつもりだが、中途半端に期待させる返事だったらしい。
出来るだけ相手を傷つけないように等という考え方も、好意を持つ人間とその好意を受けられない人間がいる以上、所詮奇麗事に過ぎないとせせら笑っていた、全く自分に関係ない世界の出来事だと思っていた昔が懐かしい。
確かにそうだとは思うが、実際その立場になってしまったら、人間としてそう頑張ってしまうものだということもかなりいい勉強になったと思う。
「ごめん。やっぱり無理だよ・・・」
結果、駄目押しする羽目になってしまった。
私なんぞがこんなセリフを吐く羽目になるとは・・・。全くもって恐ろしい世の中、というかT君、いやオフィスマジック。
その後はもう、バケツを抱えた彼をその場に捨て去り、無我夢中で家に帰宅したのだが、その辺りの記憶が曖昧なあたり、私も相当の動揺をしていたことが伺える。
しかし、その話自体はもうそれでお終い・・・なのだが、当たり前のごとく同期なので、翌日から会社でじゃんじゃん顔を合わせるという、非常に情けない事態が待ち受けていたのだった。
そんな、私なんかを好きになってしまったという恥ずかしい過去を持つ彼も、つい最近、私に無理やりしじみ採りに参加させられた友達と、全く別のツテから紹介され、実際に付き合うことになってしまったのが、全く持って驚愕の事実である。
『捨てる神あれば拾う神あり』というが・・・自分が捨てる神になるのも信じがたい出来事だが、友達が拾う神になるなんて、ことわざを使いまくりたい訳ではけしてないのだが、まさに寝耳に水としか言い様がない。
逐一報告していた私の話で、T君のことを散々馬鹿にしていた彼女の姿を、世が世ならタイムマシーンに乗って見せつけてやるところであるというのに。
しかし今二人が幸せならば、もう何もいうまい。
知らないことがあるほうが、幸せになることもあるという事実を、リアルに教えて頂いているのだから。
今日はT君で始まり終わってしまいました・・・。
いやそんな別に話があるわけじゃないんですが。
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